· 

太田奈緒、舞台『エラリー・クイーン』で美人秘書ニッキィ役「明るいキャラで私と似ているところも多いです」

2019年4月11日から「エラリー・クイーン ミステリーオムニバス~観客への挑戦~」が東京・新宿の全労済ホール/スペース・ゼロで14日まで開催される。前日の4月10日にゲネプロが開催された。

 

アメリカを代表するミステリー作家、エラリー・クイーンの人気ラジオドラマの舞台化。今回オムニバス形式で舞台化する2本のラジオドラマは、テレビが一般家庭に普及する前の1939年~48年に放送され、聴取者を魅了、エラリー・クイーンの名を全米に知らしめたもの。

 

小説と違い読み返せないラジオドラマであるためシンプルだが、肝心の謎解きは容赦なくスキがない。それぞれ全く違う味わいの作品で、クイーンの魅力を存分に堪能できる。

 

探偵エラリー・クイーンとその秘書ニッキィ、エラリーの父親でニューヨーク市警のクイーン警視とヴェリー部長刑事、この4人の軽妙でユーモラスな会話を軸に舞台は展開。

太田奈緒単独インタビュー「推理を解いていくのが楽しいです」

今回の舞台「エラリー・クイーン ミステリーオムニバス~観客への挑戦~」の中でも目を引くのが秘書ニッキィ・ポーター役を演じる太田奈緒だ。

 

太田は昨年行われた舞台「殺しのリハーサル」のサリービーンの演技を高く評価され、今回のニッキィ・ポーターの役に抜擢された。

 

その太田がゲネプロ終了後に、今回の舞台の見どころや稽古中の裏話や苦労話などについて単独インタビューに応じてくれた。

 

今回の舞台の見どころについて太田は、まず全体の見どころとして「舞台の名前が『観客の挑戦』にもなっていますように、皆さんと一緒の条件で推理に挑戦するところが見どころの1つです。

 

また1人1人の役者の舞台での細やかな表情、例えば憎しみを持っているのかな、といったところが表情の中に隠れているので、それを観察しながら、推理を解いていくのが楽しいと思います。

 

エラリークイーンの原作を知らない人にも、初めに登場人物の紹介などがあり、見やすくなっていますので、是非注目してください」と語ってくれた。

「フリフリなメイドの衣装を着なくてはいけないのかと思い・・・」

また太田自身の見どころについては「美人の秘書役として、最初に紹介されます。でも全く、そういう美人秘書のキャラではないのですが、頑張っていますので、舞台での所作に注目してください」と語ってくれた。

 

1940年代のアメリカを舞台にしている内容で、衣装も見どころだ。太田は2話目でメイド役も演じる。

 

太田は「最初、アメリカの昔のメイドの衣装がわかりませんでした。ひょっとして、現在のフリフリなメイドの衣装を着なくてはいけないのかと思い、やばいと思っていましたが、違ったのでほっとしました(笑)」と笑顔で語ってくれた。是非、太田の衣装にも注目してほしい。

 

稽古を通して苦労したことや稽古場での雰囲気などについても裏話を語ってくれた。

 

「1年前にも、この全労災ホールで『殺しのリハーサル』という舞台でサリービーンという役を演じました。サリービーンも秘書の役でした。

 

サリービーンも明るい役で、舞台の場の雰囲気をばっと変えるような清涼剤のような愛されるキャラでした。今回のニッキィ・ポーターの役は、ちょっと大人っぽくて気が強い、エラリーのことが好きな秘書です。探偵のエラリーに憧れている助手で秘書を演じています。

 

サリービーンと似ている部分もありますので、どうやって違いを見せようか、1年前に見に来てくださった方に『サリービーンと一緒だね』と言われないように心がけました。

 

また、探偵のことが好きだという演技や、サリービーンよりもちょっと大人っぽい役柄なので、大人っぽさやサリービーンとの違いを出すところで苦労しました」と。

 

もちろん、今回の舞台は前回の『殺しのリハーサル』を見ていなくても楽しめる。

「このままの明るい髪色でいきました」

また稽古場での雰囲気について太田は「今回はベテランの年上の役者さんが多かったです。私は人見知りしてしまうので、なかなかお話しするタイミングがなく、馴染むのが遅くなってしまったのは反省しています。

 

でも浜畑さん(マードック役)が毎回、稽古場にアンパンマンのパン等を差し入れてくださったので、とても楽しく稽古ができましたので感謝しています」と語ってくれた。

 

また演出家の方から「今回のニッキィのキャラでは、髪の毛の色は明るい方が良いと言われました。だから、美容院に行かないで、このままの明るい髪色でいきました」とも打ち明けてくれた。

 

AKB48チーム8は4月3日に5周年記念公演を行った。

 

チーム8の活動との両立について太田は「5周年公演はエイトにとっても、凄く大切な公演でした。舞台の稽古と重なってリハーサルには、あまり参加できなかったので、とても不安でしたが、劇場公演に立ちたいという気持ちが強かったので、エイトメンバーと5周年を迎えることができて、本当に幸せでした。

 

お芝居も好きですが、歌って踊ることも大好きだと改めて認識しました」と語っていた。

「悩んでいる時に、明るい役柄を演じなくてはならないのは、凄くしんどかったです」

 

今回の舞台は太田にとって、どのような位置づけだったのだろうか。

 

太田は「今回のニッキィの役柄は、明るいキャラで思ったことをすぐに表情に出てしまうところなど、私自身と似ているところも多いです。ニッキィの役になっているのか、そのままの自分なのかがわからなくなり、悩むこともありました。

 

悩んでいる時に、明るい役柄を演じなくてはならないのは、凄くしんどかったです。悩んでいて、元気ない時もありましたが、そのような時でも稽古で明るい役を演じなくてはならないのは、難しかったです」と真剣な眼差しで、稽古中の想いを吐露してくれた。

 

「秘書として憎めない役柄で、変なことも言う子を演じることができて楽しかったです」とも語ってくれた。

最後にファンの方へのメッセージを寄せてくれた。太田はSHOWROOMで毎日ファンとコミュニケーションをしており、既に800日を超えている。稽古中も毎日欠かさず配信をしていた。ある日、太田はSHOWROOMで稽古中の想いをファンにぶつけたこともあった。

 

太田は「SHOWROOMでも日々の稽古の様子をファンの方に話していました。その稽古での日々と重ねて、どういうニッキィが出来上がっているのか楽しみにしてほしいです。台詞は決して多くないですが、印象に残れるように頑張りたいので、是非見てください」と想いを伝えていた。

「次回はアクションや殺陣を演じるようなカッコいい役を演じたい」

太田は2016年9月に出演した舞台「絢爛とか爛漫とか」、2018年3月には舞台上野パンダ島ビキニーズ「マイナス2.5」、2018年4月には舞台「殺しのリハーサル」、2018年5月には劇団れなっちの舞台「ロミオ&ジュリエット」、2018年7月にはチーム8での舞台「KISS KISS KISS」、2018年10月にはAKB48で舞台「マジムリ学園」、そして2019年2月から監禁劇「山犬」、そして2019年4月には「エラリー・クイーン ミステリーオムニバス~観客への挑戦~」と立て続けに舞台に出演。

 

それぞれの舞台で、毎回様々なキャラを演じて、客席のファンを魅了。女優としての道を着実に歩んでいる。

 

太田は「次回、舞台に挑戦する時は、アクションや殺陣を演じるようなカッコいい役を演じたいです」と意気込みを語ってくれた。