「古都音をもっと舞台に引き出したい」
2018年7月19日から22日まで、AKB48チーム8メンバー12名（ゲストメンバー1名含む）による舞台「KISS KISS KISS」が東京・天王洲銀座劇場で開催されていた。初日公演前にゲネプロが行われた。その後、初日公演直前に、出演していたメンバー全員と演出家の横内謙介氏がメディア向けの囲み取材に出席した。
「KISS KISS KISS」は、古典的名作「サロメ」、ファンタジー、コント、ラブストーリー、ガチのハード青春ドラマなど14のストーリーをチーム8の歌と踊りでつなぐ、オムニバス作品。
11人のメンバーと日替わりのゲストメンバーが出演。全員がメインとサブキャストを交互に務めて織りなす短編集で見どころも満載だった。舞台では、ふだんの劇場公演やライブ、SHOWROOMなどでは全く見られない表情やキャラクターなどを演じていた。演劇の合間には、チーム8やAKB48の楽曲も披露した。
舞台「KISS KISS KISS」での注目の1つが、今回の舞台が初舞台となった人見古都音（岡山）だ。
人見は囲み取材の冒頭でメンバー全員に「初日への意気込みを一言で」という質問に対して「今回が初めての舞台。ふだんからあまり声が出ないで『小さい』と言われます。今回の舞台をきっかけに、大きな声を出せるように頑張りたいと思います」 と答えていた。
人見が出演したのは「劇場に口づけを」（シーン1～3）の候補生りんか役、「拳の代わりに抱きしめて」の奈津子役、「七人の小人」の王子役、「出前」でのメンバー、さらに「サロメ～ベールの踊り～」のダンサー役だ。まさにオムニバスの中で多種多様な役柄を演じた。その中でも一番の見どころが、「七人の小人」での王子だ。
高身長でモデル志望の人見は、王子役も似合っていた。囲み取材の最後で、メンバー全員に「一番見てほしいシーン」という質問があった。
人見は「初舞台なのに、王子役をやらせて頂いた。自分がイケメンと思ってやっているので、そこに注目してほしい」と語っていた。
キスシーンを演じる白雪姫は、毎回の日替わりゲストメンバーが演じていたことから、「七人に小人」の王子と白雪姫のシーンは、毎回違うシーンを楽しむことができた。まさにこの舞台でも注目シーンの1つであり、王子役の人見の演技も際立つシーンだった。
囲み取材で演出家の横内氏は「古都音（人見）をもっとなんとか舞台に引き出したくて！！！『舞台が嫌だ、嫌だ』と言うので、そういう子はなるべく舞台に上げていこうとした。しかもなるべく舞台で一人ポツンとさせるような役で。でも凄い頑張ってくれたので、楽しみです」と人見について語った。
「七人の小人」の王子役の他にも人見は「劇場に口づけを」では、夢を持ちながらも、なかなか芽が出ないアイドル候補生を演じていた。悩んで落ち込むシーンもあり、等身大のアイドルである人見は、この役も見事に演じ切っていた。
このシーンも相手の先輩アイドル役は日替わりのゲストメンバーが演じていたことから、「七人の小人」と同じく毎回の舞台で違うシーンを楽しむことができた。つまり、毎回違うゲストメンバーと稽古を積み重ねてきたのだ。
さらに人見は「サロメ～ベールの踊り～」のダンサー役では、深紅の衣装に身を包み、いつものAKB48のダンスとは違う妖艶でダイナミックなオリエンタルなダンスも披露。クールビューティな人見らしいパフォーマンスで「サロメ～ベールの踊り～」の世界観を横山結衣（青森）、行天優莉奈（香川）とともに表現。3人のダンスパフォーマンスは圧巻で、劇場中の観客を魅了した。
横内氏の演出で、まさに人見の魅力を最大限まで引き出すことができた舞台だった。
人見は8月21日から上演されるTheaterViking主催の舞台「三代目湯之介」にチーム8濵咲友菜（滋賀）とともに出演することが決定している。
次はチーム8メンバーだけでなく、多くのベテラン俳優らとも共演することになる。今回の舞台経験を活かして、次はどのような舞台を演じるのだろうか。次の舞台での活躍も楽しみだ。
