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AKB48チーム8の大型新人、立仙愛理:泣いて体を張ったカッパと名演技サラ

初お披露目から3か月で初舞台の立仙

2018年7月19日から22日まで、AKB48チーム8メンバー12名(ゲストメンバー1名含む)による舞台「KISS KISS KISS」が東京・天王洲銀座劇場で開催されていた。初日公演前にゲネプロが行われた。その後、初日公演直前に、出演していたメンバー全員と演出家の横内謙介氏がメディア向けの囲み取材に出席した。

 

「KISS KISS KISS」は、古典的名作「サロメ」、ファンタジー、コント、ラブストーリー、ガチのハード青春ドラマなど14のストーリーをチーム8の歌と踊りでつなぐ、オムニバス作品。

 

11人のメンバーと日替わりのゲストメンバーが出演。全員がメインとサブキャストを交互に務めて織りなす短編集で見どころも満載だった。舞台では、ふだんの劇場公演やライブ、SHOWROOMなどでは全く見られない表情やキャラクターなどを演じていた。演劇の合間には、チーム8やAKB48の楽曲も披露した。

 

舞台「KISS KISS KISS」での注目の1つが、今回の舞台が初舞台となった立仙愛理(高知)だった。

 

立仙は、高知県の新たなメンバーとして、2018年4月29日、「TOYOTA presents AKB48チーム8 全国ツアー~47の素敵な街へ~チーム8結成4周年記念祭 in日本ガイシホール しあわせのエイト祭り」で初お披露目された。

 

この4周年記念祭「しあわせのエイト祭り」の最後で舞台「KISS KISS KISS」のサプライズ発表があった。立仙の名前が呼ばれた時には客席だけでなくメンバーが並んでいたステージも含めて会場がどよめいた。本人も驚いた表情でステージで茫然としていたのが印象的だった。

「サロメ」の侍女サラで圧倒的な存在感

「果たして、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか?」多くのチーム8ファンが加入間もない立仙の舞台での演技に注目していた。

 

その立仙は、多くのファンの期待に応えて、幕が開けると「サロメ~序章~」でサラの役で登場。このオムニバスの中でも重要なシーンとなった「サロメ」は他にも「サロメ~出会い~」、「サロメ~ベールの踊り~」、「サロメ~終章~」と4シーンあり、立仙は全てに登場。サラはサロメに忠実な侍女で、立仙は圧倒的な存在感を見せつけた。

 

今回のオムニバスの中で、もう1つ立仙が演じたのは「秋元さんに云いに行こう」でのカッパ役だ。

 

囲み取材の冒頭でメンバー全員に「初日への意気込みを一言で」という質問に対して、立仙は「この舞台がお披露目の次のステージ。こんなにいい機会を頂いた。このチャンスを無駄にしないように頑張りたい。カッパの役も今までのチーム8の中で一番体を張っているのではないかと言われるくらい、体を張って頑張りたい」と緊張しながらも初の囲み取材で多くのメディアを前に笑顔で語っていた。

 

さらに「自分の演じているシーンでの見どころ」の問いに、立仙は「カッパです。カッパ役が正直嫌で泣いてしまったが、今日は笑顔できたので、もう大丈夫と語った」と世界の古典名作『サロメ』の侍女サラという難しい役の方でなく、泣きながらも恥ずかしさを克服して演じ切ったカッパをあげていた。

 

チーム8の中でも舞台経験が豊富な太田奈緒(京都)からも、囲み取材で「エイトでの舞台は2回目だったが、みんながそれぞれの主役になれるというのはなかなかない。『こんな役も演じれるんだ』というのを見てほしい。例えば、立仙ちゃんも、初めてなのにこうやって体張ってやれるんだなというのを見てほしい。それぞれのメンバーが個性を出しているので、それを見てほしい」と立仙を引き合いに出して今回の舞台を振り返っていたようにカッパの衣装で体を張っていた立仙の演技は目を引いた。

 

「大西さんが焼き肉おごったるって!」

立仙は「衣装合わせの時にちょっと泣いちゃった。大西さんが手を握って『焼き肉おごったる』って言ってくださって、頑張ろうって思いました。カッパを見てほしい」と舞台裏でのエピソードを語った。

 

それを聞いた大西桃香(奈良)が「いつでもおごったる!」と。

 

大西はまさに立仙がカッパ役を演じる「秋元さんに云いに行こう」で共演していた。

 

大西は稽古を休まなくてはならないほど、稽古期間中に体調を崩し、声が出なくなってしまった。大西と言えば、毎朝5時半からのSHOWROOMがお馴染みだが、SHOWROOMでも声を出せないで、ファンとテキストのみでコミュニケーションしていた。自分のことでも精一杯だったはずの大西桃香が舞台裏で後輩の立仙にやさしい言葉をかけて、立仙の初舞台のモチベーションを支えていた。

 

多くの後輩メンバーからも慕われている姉御肌・大西桃香の頼もしい一言に立仙も満面の笑みになり、囲み取材の現場もほっこりした雰囲気に。

 

初お披露目から数か月で初舞台を踏んだ立仙愛理。舞台でも「サロメ」のサラを堂々と演じ、恥じらいも捨てて楽しそうにカッパも演じ切った。

 

囲み取材でも先輩メンバーと一緒に立ち、きちんと自分の言葉で伝わるコメントを語っていた。これからの活躍が期待される大型新人の登場だ。