2018年10月19日から28日まで、舞台「マジムリ学園」が東京・日本青年館ホールで開催されていた。AKB48メンバー18名(ゲストメンバー含む)が出演。
10月28日に千秋楽を迎えたが、今回の舞台「マジムリ学園」の中でも、インパクトがあったのが「赤犬」役を演じたチーム8の太田奈緒だった。
「感情が露わになった時」と「殺陣」に注目してほしい
太田はテレビで放映していたドラマ「マジムリ学園」には出てなかった。舞台では、個性が強い荒地工業高校の「荒地四天王」の1人で赤犬役を演じた太田奈緒。
今回の出演者の中で唯一、顔半分を仮面で覆った謎めいた陰のあるキャラクターだったことから、どのような役柄をどのように演じるのか注目が集まっていた。
「赤犬という名前もなく、年齢も不詳な女性を演じています。感情が露わになった時の赤犬に注目してください。初めて殺陣にも挑戦しました。かっこいい殺陣が披露できるように頑張ります!」
太田はゲネプロ開始前に行われたメディア向けの囲み取材で述べていた。
見どころとして「感情が露わになった時」と「殺陣」に注目してほしいと語っていた。まさにこの2つが赤犬を演じる太田奈緒の見せ所だった。
真っ赤な特攻服の衣装に包んだ「赤犬」は、多くのメンバーが動きの激しい殺陣やライブを披露する時、舞台上のどこにいても、すぐに見つけられた。そのため、太田の演技や表情の1つ1つが舞台ではとても目立っていた。
哀愁と悲憤を漂わせる気迫ある演技
殺陣のシーンも初めてながらクールに演じていた太田奈緒。顔の半分を仮面で覆われていたから片目の視界も悪かったが、ステージでの殺陣は敏捷な動きで客席の目を引いた。
そして太田が演じる赤犬の一番の見どころはリリィー(チーム8小栗有以)との闘いシーンだ。
年齢や過去も不詳な一匹狼で、周囲とも馴染まず、「番長になんて興味がない、ただ強くなりたいだけ」と冷淡に語る赤犬。「愛なんて幻想だ」と怒りを込めながらリリィーとの一騎打ちに挑む赤犬。その表情と強い語気に圧巻される。
リリィーの攻撃で、ついに赤犬の仮面が外れる。仮面で隠れていた赤犬の顔に真っ赤な痣が表れると、赤犬は自分の感情を露わにする。客席で驚いた人も多いだろう。
「愛なんてない」と、今まで謎めいて隠されていた生い立ちと過去を泣きながら語っていくシーンがある。
不条理な世間に背を向けて怒りを強く表していた赤犬が、過去を語ると、いっきに憂いある表情と訴えかけるような目つきに変わるところもインパクトがあり印象的だった。
そして自分の過去と家庭を振り返り「愛なんて、どこにもなかった」と大きな声で泣きながら怒りと哀しみを込めて、リリィーに再び立ち向かう赤犬の姿も迫力があった。短時間で赤犬の虚しさ、怒り、哀しみの感情の変遷と、その表現力が見どころだった。
赤犬の哀愁と悲憤を漂わせる気迫ある演技と表情を見事に演じ切っていた太田奈緒。今回の舞台で、赤犬は圧倒的な存在感を見せつけていた。
会場では写真集『背伸びの高さ』販売も人気
女優志望の太田奈緒は2018年3月に、舞台上野パンダ島ビキニーズ「マイナス2.5」、2018年4月には舞台「殺しのリハーサル」、2018年5月には劇団れなっちの舞台「ロミオ&ジュリエット」、2018年7月にはチーム8での舞台「KISS KISS KISS」と立て続けに舞台に出演。着実に女優への一歩を踏み出している。
毎回、個性あふれる演技でファンを魅了。いつもの握手会や劇場、SHOWROOMでは見ることができない太田奈緒のパフォーマンスを魅せつけている。
太田はSHOWROOMで毎日配信を行っている。太田はSHOWROOMでの「まいにちアイドル」も600日を突破しており、舞台期間中もファンと毎日、SHOWROOMでコミュニケーション。ネタバレはしないように舞台での反省点などをファンに語っていた。千秋楽を終えた10月28日も23時から配信し「今回の舞台では、安定したパーフォーマンスができれば良かったという課題が見つかりました」と語っていた。太田のSHOWROOMは、他愛のない日常トークと笑顔で毎晩癒されると人気がある。
SHOWROOM配信365日を突破したことを記念して写真集『背伸びの高さ』を2018年10月に発売。今回の舞台会場でも太田自身も物販に登場して、写真集を販売していた。会場での売れ行きも好調だった。当然ながら赤犬の太田奈緒とは全く異なる日常・等身大の写真ばかりだ。