マジムリ「羅刹」から一転、儚く切ない「雪」に
4月9日から東京・シアター風姿花伝で朗読劇「描き続ける白紙の先へ」「ジンセイゲーム」が開催。私の道しるべプロジェクトVol.2として「Dream」「Life」をテーマに、夢を叶える素晴らしさや生き甲斐について描いた2作の短編オムニバス作品。本番前にはメディア向けのゲネプロが開催された。
注目のキャストの1人が「描き続ける白紙の先へ」に雪役で出演している清水麻璃亜。1週間前までは所属するAKB48チーム8のメンバーと出演していた舞台「マジムリ学園 蕾-RAI-」では悪役の「羅刹」を演じていた。だが、今回は全く異なり明るく振る舞いながらも儚く切ない「雪」を演じている。朗読劇2回目の挑戦となる清水麻璃亜が舞台で見せる様々な表情が見どころ。
その清水麻璃亜がゲネプロ終了後に、共演した蓮役の北村健人、演出家の林明寛とともに取材に応じてくれた。
「雪ちゃんは凄く強い子です」
―― 今回の舞台への意気込みと見どころを教えてください
清水:私は「雪」という役でヒロインです。ヒロインを演じたことはありませんでした。ヒロインなので愛されないといけないので「どうすれば愛される雪ちゃんになれるのかな?」とか考えていました。
また病気やいじめといった過去を乗り越えながらも前向きに生きている雪ちゃんを演じることによって、舞台で見てくださった皆様の背中を押せるような雪ちゃんを演じられたらいいなと思っています。
そして今回は「ジンセイゲーム」「描き続ける白紙の先へ」と2本の作品が上演されます。今日初めて「ジンセイゲーム」を見ました。全く違う話なので、両方楽しめます。それぞれの違いを楽しんでください!
―― 北村さんは清水さんの相手役として共演してみていかがでしたか?
北村:清水さんが「ヒロインとして愛されるキャラになりたい」と言っていましたが、稽古場からムードメーカーとして盛り上げてくれていました!そのため、稽古場もとても良い雰囲気でした。その良い雰囲気のまま舞台を演じることができて、「雪」の相手役として、私自身もナチュラルな感じで「蓮」を演じることができました。
―― ムードメーカーとは?
北村:清水さんはキャピキャピ系ではないですが、ドライなトーンで意外に毒を吐く子なんだなって思いました(笑)もちろん、誰を傷つけるよう毒じゃなく「え!?そこを突っ込むんだ!」というような毒です(笑)それで周りのみんなから笑いが起きて楽しい雰囲気の稽古場になっています!
清水:ドライで毒を吐くという意識はなかったのですが、私の好きな芸人さんが有吉弘行さんや若林正恭さんなので、私もソッチ系なんだと思って嬉しくなりました(笑)
北村:あと、共通の知り合いのスタッフさんがいますが、その人の似顔絵とかも描いて見せてくれましたよ(笑)
清水:その似顔絵は見せられないんですけどね(笑)
「細かい表情から息使いまで見てください」
―― 演出家の林さんから見て2人の演技はいかがでしたか?
林:2人とも凄く純粋で表現や演技に嘘がないです。嘘があると台詞は出なくなったり止まってしまいます。2人とも言いにくい台詞の箇所などはすぐに伝えてくれました。それを受けて私自身がなるほど!と思うところもありました。2人の芝居を見て気づかされてことも多かったです。本当にこの「描き続ける白紙の先へ」という作品にあった主役とヒロインだなと思いました。
2人で稽古場や舞台のムードも良い感じで作ってくれています。私が稽古中に怒って切れてしまったことがありましたが、2人が綺麗に稽古場の雰囲気を立て直してくれました(笑)
清水:お芝居以外であんなに怒るのは初めて見ました(笑)演技の勉強になりましたよ(笑)
林:勉強になっていただけて良かったです(笑)
―― 稽古にあたって苦労したことや、演じるにあたって心がけたことは?
清水:雪ちゃんは病気を持っているけど、乗り越えて明るく生きている子です。雪ちゃんは凄く強い子です。そのような子を演じるのは感情移入も含めて難しいなと思いました。
この劇場では細かい表情から息使いまでがお客様全員に伝わります。そのような細かいところまで見ていただけるように頑張ろうと思いました。是非注目して見て下さい!
演出家も絶賛「凄く良い女優になると信じています」
―― 先週まで舞台「マジムリ学園 蕾-RAI-」で「羅刹」を演じていました。今回の役柄とのギャップが凄いです。
清水:全く違う役柄です。前回は一番喧嘩が強い役で殺陣も披露していました!まだ筋肉痛です(笑)「羅刹」はキャラが強い役柄だったので、どう演じようか悩んでいましたので、その頃は早くこの舞台に出たいって思っていました(笑)でもこちらの舞台の稽古が始まったら「雪」の役柄も難しいので「羅刹楽しかったなぁ」なんて思っていました(笑)それぞれの舞台にそれぞれの良さと難しさがあることを発見しました!
―― お2人から見て清水さんの演技はどうですか?
林:アイドルをやっている方は舞台や演技が得意というイメージが正直ありませんでした。清水さんの演技を見たことがなかったので、大丈夫かな?と最初は心配していました。でも清水さんは全く心配無用でした。本読みの時から素直に台詞を話す子だなと感心しました。最初の本読みで今までの心配が吹っ飛ぶくらい安心しました。「いける!」と思いましたね。良い意味で驚きました。これからもドンドンお芝居の経験を積んで、様々な"鎧"を身につけていけば、凄く良い女優になると信じています。期待しています。
清水:やった!嬉しい!!
北村:清水さんは声が今回の「雪」の役と合っているなと思いました。透き通った何にも染まっていない声が素敵です。
清水:ありがとうございます!嬉しいです!頑張ります!
私の道しるべプロジェクト Vol.2
https://phase-inc.jp/works/stages/signpostvol2/