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前AKB48グループ総監督 横山由依 卒業ソング『君がいなくなる12月』MVは本人が企画・出演・監督「"ニローニ"もどこかにいます」

©AKB48/ キングレコード
©AKB48/ キングレコード

2021年9月12日(日)、日比谷野外音楽堂(AKB48 13年ぶりの日比谷野音)にて行われたAKB48のコンサート「MX夏まつり AKB48 2021年最後のサマーパーティー!」のアンコールで、2代目AKB48グループ総監督を務めた横山由依がAKB48からの卒業を電撃発表(12月9日にAKB48劇場で卒業公演)。

 

秋元康 総合プロデューサーより贈られたのは「君がいなくなる12月」という横山由依の卒業ソング。本作は9/29発売のAKB48 58thシングル「根も葉もRumor」のType Cにカップリングとして収録されるが、卒業発表を受け、20時にそのミュージックビデオがAKB48公式YouTubeチャンネルにて公開された。横山本人いわく、AKB48在籍12年間を、今の想いを込め自ら企画をたて、監督まで務めた「君がいなくなる12月」MV。以下は横山本人へのインタビュー。

 

「一念発起でオンラインサロンに入ってみました」

―今回、監督を務めることになった経緯

 

横山:ステイホーム期間中に東市篤憲さんの映像オンラインサロンに入って、編集やMVの作り方を学びました。

私のYouTubeで「月と水鏡」という曲のMV監督をやってみたりしていたんですけど、それを知ってくれていたスタッフさんが「卒業ソングのMV監督をやってみませんか?」と言ってくださったので、『ぜひ、やってみたい』と思って、監督を務めさせていただきました。

 

―なぜ映像を学ぼうと思ったのか?

 

横山:「私は何が好きなのか?」ということを、あらためて考えたときに歌もお芝居もそうですが、映像で魅了されることが多いなと。コンサートでも「LEDの映像がかっこいいな」と感じることが多かったなと思い出して、一念発起でオンラインサロンに入ってみました。

 

―MVの監督として、今作はどこまで携わったのか?

 

横山:タイトルも歌詞もまだない段階の楽曲をいただいて、バラードということだけわかっていて。でも、「すごくいい曲だな」と思ったので、「どういうMVにしようか?」と自分で企画から考えて、イメージを膨らませて。「こういうお花に囲まれたいな」とか。そういうイメージをたくさん集めて、企画書を作りました。

 

―本当に映像制作プロダクションの方のような

 

横山:そうです、そうです、面白いですよ。ほんとに。ちゃんとスライドで企画書作って、「メイクはこういうイメージがいい」とかも考えたりしたので、そこからですね。

 

―振り付け

 

横山:コンテンポラリーダンスをやってみたいと思い、今回初めてKensukeさんにお願いをしました。歌いながらのダンスはAKB48でやってきましたが、これから先、舞台やお芝居等含め、「表現するということを続けていきたい」と思っていたので、そういう意味で、これまでやってきたことと、やったことのないコンテンポラリーとで、「今と未来」を共存させてみようと思いました。

 

―編集

 

横山:編集は、今回プロデューサーの東市さんです。

東市さんに編集していただいたものを確認させていただいて。「MVの最後にメッセージを入れたほうがいいんじゃないか?」と私の思いも汲み取っていただき、いろいろと相談させてもらいながら編集していただきました。

 

©AKB48/ キングレコード
©AKB48/ キングレコード

「ニローニ」もどこかにいます

―出来上がったMVの感想

 

横山:「今の自分を全て詰め込めた」と思える作品になって良かったです。完成したときは「早く、皆さんに観ていただきたいなあ」と思いました。今の自分を詰め込むことが、AKB48での12年間を一番表せるのかな?と思っていたのですごく満足しています。

 

―演者であり、卒業ソングであり、そして監督でもあるという、撮影中はどういう気持ちだったのか?

 

横山:1人ということもあり、いつも以上にすごく集中しましたね。現場でのプレイバックもチェックさせていただいたので、撮って、見て、「ここはもう少し、こうしてみたいです」とか意見を伝えながら。スタッフのみなさんから「監督」って呼んでいただいていたのですが、私がイメージしていたものを「作り上げてくださるスタッフさんがいる」ということを改めて感じたんですよね。

 

今までは、決められた演出に従って、歌って踊ってという演者としての感覚だけだったので、スタッフのみなさんが支えてくださっていることはもちろんわかっていたんですけど、そこに行き着くまでどんなふうに動かれていたのか、正直見えない部分もあったんです。

 

秋元先生から歌詞をいただいた際に「ラブソングです」と言われたので、「持つお花は愛に関わるものがいいです」と無理な注文をしたりもしたんですけど、それを美術さんが集めてくださったりとか、そういうふうに「チームで作品を作る」ということを改めて経験できたのはすごく大きなものでした。

 

―そういえば、MVにはいろいろな思い出が散りばめられているとか?

 

横山:そうです、そうです。今までのメンバーとの写真だったり、自分の思い出の写真だったり、同期との写真だったりが散りばめられていて、「ニローニ」もどこかにいます(笑)、探してみてください!

 

―最後に

 

横山:本当にいろいろなことがあった12年だなと思うんですけど、12年は長いようで、あらためて今思うと「あっという間だった」という感じがしていて。

 

ファンのみなさん、メンバー、スタッフ、多くの方々と出会えてよかったと思いますし、これからも私はみなさんにたくさん恩返しができるように自分の夢を追い続けなきゃいけないなと思うので、すごく気が引き締まったというか。「ここから1人の横山由依になるんだ」ということを、MVを作らせていただいてあらためて感じました。

 

私は「秋葉原から夢を持った女の子たちが羽ばたいていく」というコンセプトに惹かれてAKB48に入ったんですけど、ついにそのときが来たというか。元AKB48としてちゃんと活動したり、皆さんの目に触れるお仕事をしないとなって思っています。

 

早くみなさんに観ていただきたいなぁと思うと同時に、みなさんがご覧になる時は卒業を発表した後かと、複雑な気持ちになりました。