「絶対強くなるので見ててください!」
名古屋・栄を拠点に活動するSKE48のメンバーである荒井優希が東京女子プロレスに本格参戦し、5月4日にデビュー戦を迎えました。東京・後楽園ホールで無観客で開催された「YES! WONDERLAND 2021~僕らはまだ夢の途中~」に於いて、「アップアップガールズ(プロレス)」の渡辺未詩選手とタッグを組み、元LinQの伊藤麻希選手と遠藤有栖選手のチームと対戦し、残念ながら敗れた。
荒井は2018年2月、愛知県体育館で行われた豆腐プロレスのリアルプロレスイベントにバブリー荒井のリングネームで出場。同年10月にDDTプロレス「女子時間差バトルロイヤル」に参戦し、伊藤選手に敗れたという経歴をもちます。今年4月に、荒井はプロレスに本格的に取り組むことを発表。初戦が因縁の相手伊藤選手との対戦となった。
アイドルとプロレスラーを兼務する「アップアップガールズ(プロレス)」の渡辺未詩選手とタッグを組んだ荒井は、九州発のアイドルグループ「LinQ」元メンバーの伊藤選手と、WRESTLE-1公式サポーター「Cheer1」の遠藤有栖選手とのコンビと激突。
アイドル4人のそろい踏みとなった一戦は荒井と遠藤が先発。荒井は腕の取り合い、グラウンドでの攻防では互角に渡り合い、渡辺と連係のダブルエルボーを決めるなど好調にスタート。しかし、伊藤と対峙すると、ネックロック、DDT、背中にラリアットをくらうなど、攻めまくられた。渡辺のサポートもあり、なんとか10分をしのぎ、伊藤のフライング・ビッグヘッドを免れ自爆させると、得意技のカカト落としを一撃。2発目は阻止されましたが、強烈なエルボーをたたき込んだ。しかし、伊藤からのヘッドバットからDDT、倒れ込み式ヘッドバット、伊藤デラックスと次々と技をたたみかけられ、荒井はギブアップとなった。
伊藤から「荒井優希、オマエは弱い。でも今見てくれてるお客さんは、オマエの弱い姿よりも、弱くても闘う姿に勇気をもらえたヤツがいっぱいいると思う。オマエはSKE48の荒井優希じゃない。プロレスラーの荒井優希だ。プロレスラーはアイドルと同じように夢を与え続けろ。今日の試合で満足するなよ。負けたら絶対次は勝てよ。何年かかってもいいから、伊藤麻希を潰しに来い! 伊藤は何回でもプロレスラー荒井優希を潰してやるよ。まあ、オマエのことなんてあんまり興味ないけど、頑張れ」とエールが送られ、荒井は「今日は負けちゃったけど、絶対強くなるので見ててください。応援よろしくお願いします」と涙をにじませながらリングを後にした。
試合後に伊藤選手からは「宣言通りちゃんと勝ちました。デビュー戦にしてはよくやった方だとは思うんですけど、まだまだだなっていう感想ではあります。もっといろんなこと磨いて伊藤麻希を潰しにきてほしい。いいカカト落としでした。誰でもできる技じゃないんだっていうのは思います。もっと磨いてほしいですね。今日の試合で伊藤は荒井優希をプロレスラーとして認めました。認めたからこそ、期待を超えてほしいなと思います。月イチ参戦でどれくらい成長できるのかっていうのを楽しみにしていようと思います。私たちは毎週試合して、その分成長してるので。楽しみにしてます。(点数は?)100点満点中、8点」と辛口を混ぜながらも、荒井の奮闘を評価。
荒井は「昨日まで本当に不安で、楽しめる自信も全然なかったんですけど。今日になって、すごい楽しみな感情が沸いていて。デビューが終わった後も楽しかったなっていう感想が残るくらい。すごい悔しい試合ではあったんですけど、『プロレス楽しいな』っていう気持ちになれたので、本当によかったです。(伊藤とは)やっぱりキャリアの差だったり、経験の差だったりで、すごい力の差を感じました」と振り返った。
得意技のカカト落としを“Finally(ファイナリー)”と命名した荒井は、「SKE48で、似たような足を上げる振りがある『片想いFinally』という曲があって、そこから取りました。すごくかっこよくて気に入っているので、もっと磨けるように頑張ります」と意欲を見せた。
実況生中継された、インターネットテレビ局『ABEMA』格闘チャンネルでは、「デビュー戦としてはよく頑張った」、「動きはよかった、続けてほしい」、「ナイスファイト!」など、温かなコメントが相次いだ。
次回は6月6日(日)、さいたまスーパーアリーナでの「CyberFight Festival 2021」へ参戦することが決定。荒井は、「今日が無観客になってしまったので、次が有観客のデビューになるかもしれないということで。今日の試合を『見に行きたい』って言ってくださった方が本当にたくさんいたので、そんな皆さまに今日よりも成長した姿を見せられるように、もっと練習したいと思います」と誓った。
©東京女子プロレス