戦国TAPミュージカル「TAKEDA」(脚本/演出 赤堀二英)が4月3日にテアトルフォンテ(横浜市泉区)で開催される。前日の4月2日にはメディア向けのゲネプロが開催された。
4月9日から道新ホール、4月17日には武田信玄の地元・山梨のYCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)で開催される。
2018年東京で上演され好評を博した作品の第2弾。待望の再演!時代の大きなうねりの中にいやおうなく巻き込まれ、それぞれの想いを胸に戦場へと向かう馬達の姿を描く。
キャストには、前作に引き続きタップダンス界のレジェンド“HideboH”も振付の他にキャストとして参加。水谷豊監督、出演の映画「TAP THE LAST SHOW」で主演を務めた清水夏生など、タップダンスの猛者たちが集結した。
今回の出演メンバーで注目の1人が中野郁海だ。中野はダンスにも定評があり女優として新たな一歩を踏み出し、前作に続いて出演。中野は幼い白馬の役で、コミカルでキュートなシーンからシリアスなシーンまで多彩な表情とパフォーマンスで演技に挑んでいた。またタップダンスの猛者たちと一緒に披露する華麗で圧巻のタップダンスが目を引いた。
その中野郁海がゲネプロ終了後にインタビューに応じてくれた。
「自分らしさを出して表現していこうと思って臨みました」
―― 前作に続いて2回目の出演です。前回と比べていかがですか?
中野:前回はAKB48に所属していて高校生の時でした。周りも年上の方々ばかりの大先輩ばかりで緊張することも多かったです。そのため、萎縮してしまったこともあったので、今回は解き放って、自分らしさを出して表現していこうと思って臨みました。
―― 前作とは心構えも違いますか?
中野:前作の時はAKB48という大きな看板に支えられていた部分がありました。今回、AKB48を卒業したのに、お話しをいただけたことは凄く有難いことです。同じ作品の舞台にまた呼んでいただいたことへの感謝を忘れずに演技をしたいと思います。また今回の作品を見に来てくださるお客様への感謝を舞台で表現して伝えることができれば良いなと思っています。
―― 今回はどのような役ですか?
中野:幼い白馬の役で「うつけ」を演じています。他の馬とは違った思考を持っています。見た目は「うつけ」ですが、ふとした瞬間に他の馬が思いつかないようなひらめきや発言をします。天才型の馬です。
「子供っぽい演技や表情を取り戻すのが大変でした」
―― 役作りで苦労したことや、心がけたことはありますか?
中野:演出の赤堀二英さんに「2年、年をとりましたね!」とよく突っ込まれていました(笑)前回は18歳の時で、今は20歳になっています。18歳の時に演じた「うつけ」と今の私の演じる「うつけ」では2歳年をとってしまったことがわかります。どうしても18歳の時のような子供っぽい演技が薄れてしまいました。そのような子供っぽい演技や表情を取り戻すのが大変でした。
―― 衣装も馬をイメージしています。
中野:セットアップに時間はかからないのですが、舞台ではとても暑いです(笑)タートルネックで長袖、長ズボンで密着しています。フェースシールドも馬のたてがみを見立てたアクセサリーをつけていますので、そこも注目です。
「家でもヨガマットひいてタップダンス練習していました!」
―― 久しぶりのタップダンスはいかがでしたか?
中野:大変でしたよ(笑)今回のキャストはタップダンス界の最前線で戦っていらっしゃる方々ばかりです。タップダンスの大先生のような方々と一緒に共演しています。いろんな方々から「そこ、違う!」とたくさん指導を受けました。先生がたくさんいて怖かったですが、凄く有難い環境でした!とても勉強になりました。
AKB48時代は毎日ダンスもしていましたが、最近ではほとんどしていませんでした。だから稽古が始まった時には「あれ?下手になった?」と突っ込まれてしまいました(笑)でも稽古の回数を重ねていくうちに、タップダンスの先生方がたくさんいらっしゃるので、毎日練習をしていくうちに自然と感覚を取り戻しました。コロナの時期なので稽古期間が16日間しかなかったので、家でも階下に響かないようにヨガマットをひいて1人でタップダンスの練習をしていました(笑)。是非チェックしてください!
―― 一番の見どころは?
中野:私が演じる「うつけ」と風太郎が2人で桜を見ているシーンです。幼い子供の「うつけ」が初めてドキドキするシーンがあります。「うつけ」が何か新しいことに目覚める瞬間を是非注目してください。
「武田信玄の地元の山梨の方にも受け入れてもらいたい」
―― 今回は歴史物のストーリーです。
中野:時代物のドラマや映画が私も好きなので、今回の舞台はお客様として観覧したいなと思いながら演じています!
―― 武田信玄の地元の山梨で上演します。
中野:山梨の方々は、武田信玄に対する想いや熱量も強いと思います。そのような山梨県で披露させていただくのはとても有難いです。緊張感もあります。変わった視点で武田信玄を描いていますので、山梨の皆さんにも受け入れてもらえるように頑張りたいと思います。今回の舞台「TAKEDA」を見て、新しい感情や素敵な気持を抱いて帰っていただけるように頑張りたいです。
―― 3作目があったら、また挑戦したいですか?
中野:はい!もちろんです!年齢的に「うつけ」はそろそろ厳しいかな?と思っています(笑)でもいつまでも「うつけ」のような純粋で幼い気持ちを忘れずにいたいと思います(笑)
―― ファンの方へのメッセージをお願いします。
中野:前回の「TAKEDA」とはまた違ったエッセンスがたくさん詰まっています。より素晴らしい作品になっていると思います。前回、AKB48時代に「TAKEDA」を見に来てくださった方で、私がアイドルを卒業してから遠くに行ってしまったファンの方も、久しぶりに「TAKEDA」を見に行こうかなと思って、足を運んでくれたら嬉しいです!是非、見に来てください!